晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
この、居心地の良い場所が、私の居場所なんだから。
「明後日から私たちが修学旅行だから、部長と副部長の代わりを一年生の中から二名選びます」
放課後になって、部活の時間。それぞれパート練習に行く前に一年生だけが音楽室に集められた。
夏の大会で三年生が引退したから、二年生が修学旅行してる間は一年生だけで部活をすることになる。
だから私たちの中で決めるのか……。
そういえば吹奏楽部はわりとランクが高い子たちが多いなぁなんて、部長の話を耳で聞きながらそんなことを思っていた。
……早くサックスに触りたい。
「えー、じゃあ多数決が早いと思うので、一人一人名前呼ぶからその人がいいと思う人でみんな手上げてってね」
部長の言葉にみんなが「はい!」と返事をした。
部長代理か……。
誰がいいかなぁ……。
七美ちゃんとか、向いてそうだなぁ。
「じゃあ次、咲ちゃん」
そして、私の名前が呼ばれた瞬間、みんながいっせいに手を挙げた。
……えぇ!? うそ!?
「お、もうこれは決定だね。咲ちゃんお願いできる?」
「あ、はい!」
まさか、呼ばれると思ってなかったから驚いた。
だけど、私って部長候補だったの?
知らなかった……。