晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



「ケータイ返して」


「だいたいアンタは……」



あー、ダメだ。


イライラする。


いつだってお母さんは、私の話なんて聞いちゃくれない。


お母さんはいつも、世間体を気にした話ばかりで、私のことなんてちっとも考えてはくれない。


私のことよりも、


近所の人たちからどう思われるかの方が大切なんだ。



「あのブログだって、あんたが書いてないって言うなら堂々と学校に行けるでしょ」


「は?」



なに、それ……。



「本当は七美ちゃんじゃなくて、咲が書いたんじゃないの?」



そのお母さんの心ない言葉に、身動きが取れなくなる。


ショックすぎて、息すらまともにできない。


……今……なんて……?


あのブログ、本当は私が書いたんじゃないかって、言ったの?


お母さん、そんなこと思ってたの?



「……ふざけんな」



書くわけないじゃん!!


どうしてそんなこと言うの!?


信じらんない!!


< 102 / 187 >

この作品をシェア

pagetop