晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
みゆとの通話を終えてリクへのダイヤルを回した。
……起きてるかなぁ。
『……もしもし?』
呼び出し音が途絶えて聞こえたのは、少しだけ低い、リクのかすれた声。
「……あ、寝てた?」
『いや、別に。どったの?』
「お母さんとケンカして家出したからさぁ……」
『ふは!出た、家出少女!』
ケラケラ笑うリクの声。
ムスッと、口を尖らせてると『迎えに行くよ』とリクが言った。
え……?
『なんかいつもと様子違うし、声的に泣いた?すぐ行くから場所教えて』
「う、うん……」
……なんだろう。
今の、勘違い、かなぁ。
迎えに行くって言われた瞬間、胸がドキッとした。
前から思ってたけどリクってば男らし過ぎるから……。
きっと、それでだ。
うん。間違いない。