晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



ふと空を見上げると、星が散らばって輝いていた。


……さっきまであんなにイライラしてて、悲しくて絶望していたのに。


リクの顔を見たらスッーと消えた。


まだ少しだけモヤモヤしてるけれど、それでもさっきまでの感情と比べると、全然で。


……不思議だ。


こんなにも気が楽だ。



「到着〜」


「ありがとう」


「あー、重かったぁ……」


「重くてごめんなさいね!!」



リクの家のアパートに着いた。


……そんなに重いか、私。


なんて思いながら自分のお腹のお肉を触っていると「ほら中行くぞ」って。


リクがさっさと階段を上がっていくから、置いて行かれないように走った。


待ってよ、もう!


鉄の階段を上がると足音が響いた。



「ただいまー」


「お、お邪魔します……」



……夜も、もう遅い。


日付けはとうの昔に越えていた。



< 110 / 187 >

この作品をシェア

pagetop