晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
ふと空を見上げると、星が散らばって輝いていた。
……さっきまであんなにイライラしてて、悲しくて絶望していたのに。
リクの顔を見たらスッーと消えた。
まだ少しだけモヤモヤしてるけれど、それでもさっきまでの感情と比べると、全然で。
……不思議だ。
こんなにも気が楽だ。
「到着〜」
「ありがとう」
「あー、重かったぁ……」
「重くてごめんなさいね!!」
リクの家のアパートに着いた。
……そんなに重いか、私。
なんて思いながら自分のお腹のお肉を触っていると「ほら中行くぞ」って。
リクがさっさと階段を上がっていくから、置いて行かれないように走った。
待ってよ、もう!
鉄の階段を上がると足音が響いた。
「ただいまー」
「お、お邪魔します……」
……夜も、もう遅い。
日付けはとうの昔に越えていた。