晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



友達がいても、一緒に過ごす時がどんなに楽しくても。


家に帰って来ると、やっぱりどこか満たされない私に気づいていた。


家にいると、自分の存在が、よくわからなくなる。


必要とされてないんじゃないかって、そう思うんだ。








「やっと揃った」



私たち3人が待ち合わせをするとその時間より30分は遅れて集合する。


……もう慣れたっていうか、みんなそんな風だから、これが当たり前。


11月最後の日曜日。


最近じょじょに寒くなって来ている。


みゆとリクと私は最寄り駅で待ち合わせをしていた。


これから駅を乗り継いで大きなショッピングモールがある場所へと向かう。


……みゆと楽しそうに話しているリクをじぃっと見てみる。


いつものようにニット帽をかぶって、ダボダボしたパーカーとジーパンをはいている。


……似合ってるなぁ。



「咲?なにボーッとしてんの?」


「へっ?」



リクが私の顔を覗き見るように首をかしげていた。


それがあまりに突然だったからドキッ!としてしまった。



「なんでもないし……!」



……あぁ、もう、最悪。


< 119 / 187 >

この作品をシェア

pagetop