晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
友達がいても、一緒に過ごす時がどんなに楽しくても。
家に帰って来ると、やっぱりどこか満たされない私に気づいていた。
家にいると、自分の存在が、よくわからなくなる。
必要とされてないんじゃないかって、そう思うんだ。
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*
「やっと揃った」
私たち3人が待ち合わせをするとその時間より30分は遅れて集合する。
……もう慣れたっていうか、みんなそんな風だから、これが当たり前。
11月最後の日曜日。
最近じょじょに寒くなって来ている。
みゆとリクと私は最寄り駅で待ち合わせをしていた。
これから駅を乗り継いで大きなショッピングモールがある場所へと向かう。
……みゆと楽しそうに話しているリクをじぃっと見てみる。
いつものようにニット帽をかぶって、ダボダボしたパーカーとジーパンをはいている。
……似合ってるなぁ。
「咲?なにボーッとしてんの?」
「へっ?」
リクが私の顔を覗き見るように首をかしげていた。
それがあまりに突然だったからドキッ!としてしまった。
「なんでもないし……!」
……あぁ、もう、最悪。