晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



見ないようにしていたモノが、大きくなりすぎて、無視できない。



「リク上手いねぇー!」


「だろぉ〜っ!」



二人の会話に混ざることなく、私はただうつむいていた。二人の方を見られない。


今、私は、どんな表情をしてる……?


……あぁ、ダメだ。


もうダメだよ……。


否定しきれない。



「咲?どうかした?」


「う、ううん……。なんでも、ない……」



みゆに笑いかけるとそばにあったオレンジジュースに手をかけた。



ーー私は……。


リクのことが、好きなんだ。



女の子だから、違うって信じこもうとしていた。


好きじゃないって、言い聞かせていた。


好きになっても、辛いだけだって、わかっていたから。


今だって、ほら。


こんなにも苦しくて、胸が潰れてしまいそう。


こんなの。


おかしいよ、おかしい。


イヤだ。


でも、どんなに否定しても、違うって言い聞かせても。


もう、あと戻りできない。


リクを好きになる前には、戻れない。


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