晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
リクを好きな自分を認めてあげたら、少しだけ温かく感じた。
……それでも罪悪感は完璧には拭えなかった。
好きだと感じるたび、
リクの笑顔を見るたびに。
友だちとして接してくれているリクに、申し訳ないってキモチが心の中でモヤモヤに変えていく。
「咲、この歌ちょー良いから聴いてみてよ!」
リクが私に向かってケータイを向けて来る。
「うん、わかった。なんて歌?」
無邪気な、笑顔。
リクは、私がリクを好きなことを知らない。
感ずいてすらないと思う。
別に、知らなくて、いい。
……だけど、このままじゃダメだ。
リクは私のことを家族のような人だと言ってくれた。
出会えて良かったと言ったら自分もそう思ってるって言ってくれた。
このままじゃ一緒にいられない。
こんなキモチを抱えたままリクとは友だちで居られない。
私のことを友だちだと言ってるリクを裏切ってるみたいでイヤなんだ。
なにより私が壊れてしまいそうだし、
隠し通せる自信がない。
ーーだからキョリを置こう。