晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



もしも私が大人だったらこんなに悩むこともなかったのかな。


もしも、リクが男の子だったら、私はこんなに苦しまずに済んだのかな。


どうして好きになったのが女の子だったんだろう……。


ずっとずっと同じことを頭の中で呪文のように悩んでは、


みゆかちゃんの言葉を思い出す。



『でもリクちゃんを好きな自分を否定しないであげて欲しいな』


『男の子でも、女の子でも、人を好きになることは素敵なことだよ』



……そう、だよね。


こんなに心の底から人を想えるなんて、私は知らなかった。


リクと出会ってなかったら、知らないままだったかもしれない。


この恋は、きっと、間違いなんかじゃ、ないんだよね。


普通じゃないかもしれない。


女の子を好きになるだなんて、周りの人からしたら、異常なことなのかもしれない。


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