晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



自分がこんなに不器用な人だなんて知らなかった。


よく読むケータイ小説の主人公みたいに天然で、可愛らしい女の子だとは思っていなかったけれど、


こんな風にしかリクのことを大切にできなくて悔しい。


……そもそもリクのこと大切にできてるかなぁ。


ただ私が傷つきたくないだけなんじゃないの……?


私の『好き』で、リクを傷つけてしまわないか、怖いだけじゃない?


傷つけて、傷つくのが、イヤなだけ。


やっぱり私は、ワガママだ……。



「はぁ〜、つまんなぁーいっ」



昼休みになって、みゆがため息まじりにそう呟いた。


……急にどうしたの。



「恋がしたいなぁ……。でもいい人いないよねー。顔が良くて、スポーツできて、優しくて……彼氏にしても誰にでも自慢できる人を好きになりたい」



みゆの言葉に、ピクッと反応してしまう。


……自慢できる人を好きになりたい?


好きな人って、そんなことで選ぶものじゃないよね。


いつの間にか好きになってて、


自分でもどうにもできないオモイに戸惑って……。


そう思ったら、なんか、黙っていられなかった。



「好きな人ってそんなんじゃないよ。たとえイケメンじゃなくても、スポーツができなくても、いつの間にか好きになってるものだよ。好きになりたいとか、そんなんじゃなくて……。


大切で、キライになろうとしてもなれなくて……」



……そこまで言って言葉をやめた。


なに言ってんだろ、私。



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