晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜

ふと我に返って黙った。



「それ、よくわかるよ」



しばらくの沈黙のあと、そう言ったのは、リクだった。


切なそうな顔をして、何かを、誰かを、そっと見つめるように目線を下に向けて。


……この表情。


恋を知ってるような、そんな顔に見えた。



「……リク、好きな人でもいるの？」



私の問いにリクがうつむけていた顔を上げて、私を見る。


ーードクンッ……。


目が合って、胸をわしづかみにされたような感覚がした。



「……いるよ」



……いる……んだ……。


突然の話に、頭が真っ白になる。


彼氏なんて興味ないって言っていたから、みゆも驚いたような顔をしている。



「咲は？」


「……いる、よ……」



リクの問いにうわずる声で答えた。


緊張して、声が震えたような……。