晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



どうしていないって言わなかったのか、自分でもわからなかったけれど。


リクが、笑顔の裏の本音をはじめてチラつかせたような気がしたから。


私も、本音のことを言いたくなったのかもしれない。








「ねぇ、咲」


「ん?」



部活が終わった帰り道。


すっかり暗くなった通学路を、みゆと二人で歩いていた。



「昼休みに言ってた好きな人って……誰?」


「えっ……」



まさか、聞いて来るとは思ってなかったから、戸惑いを隠せなかった。



「そんなのっ……ひ、ヒミツだよぉ〜」


「リクじゃないの?」



……え?


おどけていた表情がみゆの言葉で固まってしまう。


ど、どうして……。


バレないように、態度に出さないようにって、細心の注意を払って気をつけてたのに……。


真剣なみゆの目が、誤魔化しても無駄だということを知らせていた。



「……いつから気づいてたの?」



< 142 / 187 >

この作品をシェア

pagetop