晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
どうしていないって言わなかったのか、自分でもわからなかったけれど。
リクが、笑顔の裏の本音をはじめてチラつかせたような気がしたから。
私も、本音のことを言いたくなったのかもしれない。
・
*
「ねぇ、咲」
「ん?」
部活が終わった帰り道。
すっかり暗くなった通学路を、みゆと二人で歩いていた。
「昼休みに言ってた好きな人って……誰?」
「えっ……」
まさか、聞いて来るとは思ってなかったから、戸惑いを隠せなかった。
「そんなのっ……ひ、ヒミツだよぉ〜」
「リクじゃないの?」
……え?
おどけていた表情がみゆの言葉で固まってしまう。
ど、どうして……。
バレないように、態度に出さないようにって、細心の注意を払って気をつけてたのに……。
真剣なみゆの目が、誤魔化しても無駄だということを知らせていた。
「……いつから気づいてたの?」