晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



歩くスピードを緩めて、また、歩き出す。



「咲がリクを避け始めてなんかおかしいなって思ってたんだけど、昼休みの話を聞いてピンと来た」


「そっか……」



墓穴、掘ってたんだね、私……。


やっぱり『いないよ』って、言うべきだったんだ。


悔やんでも、時間は巻き戻っては、くれないけれど。


……私のバカ。


詰めが甘いんだから。



「なんで泣くのぉ、咲……っ」


「うぅっ……っ。みゆだってぇ……っ」



グスグス二人の鼻をすする音が、誰もいない夜道に響く。


胸が切なくて、痛くて、


でも、やっとみゆに打ち明けられたことが素直に嬉しくて、涙が止まってくれない……。



「ごめんねぇ、みゆ……っ」


「なんで謝んの……っ!謝らなくていいよぉ!辛かったね……。大丈夫だから……。リクには言わない。大丈夫だからね?」



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