晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
カミングアウト
その次の日だった。
「リクがね、咲の好きな人ってぶー?ってメールして来たんだよ」
学校に来てすぐのこと。
みゆの言葉に顔面蒼白になっているのが、自分でもわかった。
それぐらい、焦っていた。
そんな……イヤだよ……。
だって……。
壊したく、ないよ。
「……なんて返事したの?」
「みゆからは言えないって言った。……ねぇ咲、リクに素直に言ってみたら?たぶん、リクなら受け止めてくれるよ」
「簡単に言わないで。そんなの、ムリだよ……っ」
考えられないよ、打ち明けるなんて。
そんなことしたらどうなると思う?
壊れちゃうよ、なにもかも。
友情も、心も、関係も、ぜんぶ。
そんなの、ダメだよ……。
せっかく私たち出会って、友だちになれたのに。
私の一方的なキモチのせいで壊れるなんてことは、許されない。
……守りたかったのに、ぜんぶ。
私以外のものをぜんぶ。