晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
もしも私のせいでみゆとリクの仲も悪くなったりでもしたら、どうしよう……。
失いたくない、二人を。
壊したくない、せっかくできた関係を。
守りたい、リクとみゆの笑顔を。
私を助けてくれた二人だから。
……私。
生まれてからこんなに自分以外の誰かのことを大切にしたいと思ったのは、はじめてなんだよ。
はじめてこんなに守りたいと思えるモノができたのに。
この絆はどうしても守り通したい。
大切な、モノだから……。
「咲……ちょっと話せる?」
ーービク!
突然かけられた声に肩を揺らした。
振り返ると真剣な顔をしたリクがいて、私の身体は石みたいに固まる。
ああ、そうか。
……もう、逃げられないんだ。
「うん……」
うなずくと、みゆを置いて二人だけで教室を出た。
気まずい空気。
黙ったまま、どちらからともなく、私たちは屋上へと続く階段の最上階付近に腰を下ろした。
屋上は立ち入りが禁止されているから、ここにはきっと誰も来ないはず。
もうすぐで朝のホームルームも始まるし。