晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
「…………」
「…………」
沈黙が、痛い。
二人のキョリは、人が一人入るぐらい微妙な間隔で、なんだか切なくなった。
……女の子から好かれても、嬉しく、ないよね。
しかも親友。
仲良しだと思っていた子からの好意なんて、そんなの、ただの迷惑でしかないはず。
「あのさ、咲……」
「……うん」
声を出して、声が響くことにはじめて気がついた。
「昨日言ってた咲の好きな人って……ぶーのこと?」
ーードクンッ……。
来た。いきなりか。
でも、聞かれると思ってた。
途端に胸が苦しくなって、胸が詰まる。
「……そうだ、って言ったら……どうするの?」
絞り出した声は、震えていた。
……あぁダメだ。
気を抜いたら泣いちゃいそう。
終わる。
友情に、ピリオドが打たれる。
「……嬉しいよ」
「え?」
待っていた答えとは違って、間抜けな声が出てしまった。
しかし、次の言葉に私は衝撃を受ける。
「でも……
ぶーには、恋人がいるんだ。ごめん」