晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
それからリクの今までのことをゆっくりと聞いていった。
小学生の頃から自分のカラダと心の違和感に気がついていたこと。
だんだん膨らむ胸をカミソリで切ろうとしたこと。
それをカモフラージュするためにダボっとした服ばかりを着ていたこと。
中学生になって居場所がないことに悩んで、コミュニティサイトに男のフリをして登録したこと。
そしてそこで今の彼女に出会ったこと。
……すべての話を聞いて、私の胸の中で暴れていたリクへの気持ちがスーッと穏やかになったことに気がつく。
なんだろう、もがき苦しんでいたモノが、緩和されていく感じ。
「私はずっと女の子を好きになったんだって悩んでた」
「うん……」
「でも本当は、男の子を好きになっていたんだね」
私の言葉に目を見開いたリク。
そして嬉しそうに微笑むと「ありがとう……」と、いつもみたいにイタズラっ子みたいな笑顔を私に見せてくれた。