晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
そして私はこれからも物語を書いて行きたい。
そう強く思う。
たとえ人気が出なくても、いい。
私なんかの物語に、感想をくれる人がいて。
ファンになってくれた人もいる。
主人公たちの生い立ちや精一杯に生きる姿に、頑張れと、まるで彼らがそこにいるかのようなメッセージをくれた人も、確かにいて。
それが私にとって、心の底から幸せなことだなって思ったんだ。
時間を忘れて物語を書き連ねる時間がたまらなく好き。
言葉を並べて、素敵な響きにするのも、大好き。
……私がしたいことは、これなのかもしれない。
そして私はひとつの決心をした。
「本当にいいのか?」
「はい」
放課後になって、すぐ。
顧問に、準備をしていた退部届けを提出した。
ずっと迷ってた。
でも夏のコンクールに向けて頑張ってるみんなの足を、毎日学校に来ない私が引っ張ってることは明確だったから。
「わかった。みんなには説明しとく」
「ありがとうございます」
「……よく、頑張ったな」
……え?
先生の言葉に、目を見開いた。
「これからも頑張れよ」
先生が手を挙げて去って行く。
その背中に黙って頭を下げた。