晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



先生の言葉に笑った。


私の実力……か。


そんなもの、当てにならない。



「ありがとうございます。でも私、学校に毎日通える自信がありません」



私は、人と関わることが苦手になった。


親友ができた今でも、七美ちゃんに裏切られてからは、やっぱりどこか人を簡単に信じることができないの。


大好きだったから。


人の怖いところ、悪いところを知っているから。


だから、学校以外の場所で、私は生きて行きたい。


社会に出て、視野を広げたい。


こんな甘ったれたこと言ってるヤツがなに言ってんのって思われるかもしれないけど。


……負けないから、もう。


環境をガラリと変えて、区切りをつけたい。


親友ができても、ひとりぼっちじゃなくなっても。


学校がキライなことは変わらない。


こんな狭く息苦しいところにもう三年も通うなんて、想像できない。



「後悔しても知らないから」



三者面談が終わってお母さんと二人で学校を出る。


空を見上げると眩しいくらい青い空が広がっていて。


……世界は、こんなに広いんだ。


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