晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



迷惑は、かけないよ。


リクの笑顔を曇らせたくない。


もう二度と、あんな泣き顔は、見たくないから。


いつまでもリクには笑っていてほしい。


もうリク以外の人を好きになれないかもしれない。


このまま一生リクだけを想って、誰とも結婚もしないまま死ぬかもしれない。


そう考えてしまうくらいには、まだリクのことが好きで、諦めなんてつかないけれど。


私はずっとリクの幸せだけを願ってる。


一番近くで。


親友として。


大好きだから。



「卒業おめでとー!!」



そして私は中学を卒業した。


いろんなことが、あった。


学校は大キライだったけれど、ここでの3年間があったからこそ得られたモノがたくさんある。


いい思い出より、辛い経験の方が多いのかもしれない。


だけど、そのどれもが今の私をつくってるんだと思うと、すこしだけ愛おしくかんじる。


苦しかったけど。


辛かったけど。


私の心を豊かにしてくれた、3年間。


この卒業式に、お母さんは来なかった。


それでもいい。


私は自由に、なれたから。


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