晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



「わぁ!晴れたよー!」



卒業式が終わってみゆとリクと3人で外へ出ると、今朝の雨がウソのように晴れ渡っていた。


まるで私たちを祝福しているみたい……。



「あ、虹……!」


「どこどこ!?」



リクがゆびさした先には、綺麗な虹。


遠くに小さく見える。


私の心にも、虹がかかったよ。


二人のおかげで、ね。


……なんて、実際は照れ臭くて言えないんだけど。



「咲ぃ!!行くよっ!!」



みゆが大声で私を呼ぶ。


いつの間に先に行っていたのか。


慌てて二人のもとへ駆け寄る。


……未来には、どんなことが待っているのかな。


すこしだけワクワクする私がいた。


私には心強い味方がいるから、どんなことも今は楽しみなんだよ。


これからもきっと辛く苦しい夜もあるし、


泣きながら朝日を見る日もあるんだろうけど、それでも……。


必ず時間は進んで、辛かった今が過去になって先のわからない未来が今となってやって来る。


ひとりぼっちじゃ辛い日々も、キミたちとなら。


……楽しみなんだよ。


二人がいるから、


私は、笑って未来へ行ける。



ーー未来を手放さなくて、良かった。



辛い日々を乗り越えて、未来だった今になって、そう思う。


乗り越える勇気をくれて、ありがとう。


チカラになってくれて、ありがとう。


辛い今を逃げ出しながらも、乗り越えたからこそ、見えたキセキみたいな出会い。



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