晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
二人の声と言葉が遠くに聞こえる。
確かに最近七美ちゃんには彼氏ができたけど……。
それって、ただの”ひがみ”なんじゃないの……?
前は風華ちゃんだったのに、今度は七美ちゃんか。
悪口を言われているのは私じゃなくて七美ちゃんのはずなのに、
私の心は、私が悪口を目の前で言われているみたいに、すごく痛かった。
「ねぇ!咲ちゃんもそう思うでしょ?」
「えっ、私……?」
突然ふられた話にうろたえる。
なっちゃんと風華ちゃんの瞳が真っ直ぐ私を見ている。
……早く言えって、目が、言ってる。
求められてる。悪口を。陰口を。
言わなきゃいけない。
言いたく、ないのに。
言わなきゃ、ダメ、なのに……。
「……んっと……私は別に……七美ちゃんはキライじゃないよ……?」
……それでも私は、正直で、いたかった。
七美ちゃんに関しては、ウソをつきたくなかった。
七美ちゃんのこと、ウソでもキライだなんて、言えなかった。
だって私にとって七美ちゃんは大切な”親友”なんだもん。