晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
言いたくなんか、なかったんだ。
私は、絶対、間違ってない。
「……ふぅーん?でもまぁ、咲ちゃんがどうであれ、私たちはキライだから今日の遊びは七美ちゃんは抜きね?」
「……わかった」
「咲ちゃんはいつも通り七美ちゃんと帰ってからウチに来てよね。口が裂けても私たちと遊ぶなんて言わないでよ。キライなのバレるから」
「……わかってる」
こんな風に悪口は言うくせに、それがバレるのはイヤなんだ。
……なんて性格が悪い人たちなんだろう。
この前は、風華ちゃんだったくせに。
でも私は七美ちゃんに「なっちゃん達が悪口言ってたよ」なんて絶対言えない。言わない。
七美ちゃんが傷つく姿なんて、見たくない。
なっちゃん達の悪口が伝染して行って吹奏楽部のみんなが七美ちゃんのことキライだと言い出したとしても。
……私だけは。
私だけは、七美ちゃんの味方でいてあげよう。