晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
落とし穴
11月に突入して二学期も中間に差し掛かったある日。
「えー!?略奪愛!?」
「そうなの!!」
七美ちゃんが熱でお休みだった日。
私は同じ吹奏楽部の友達二人と帰っていた。
しほりちゃんと、はなちゃん。
「みゆちゃんと付き合ってたよね、あっくんって」
「そうよー!でもしほりが告白したら別れるから待っててだって」
それをこんな風に自慢してるんだ。
……うわぁ、この人、最低。
略奪愛が悪いとは思わないけど、謙虚さのカケラもない。
『どう?私、勝ったわよ。すごいでしょ』って言われてるみたいで、なんだか釈然としない。
こうなったならみゆちゃんには申し訳ないけど……でも、好き。
みたいな感情があってもいいと思うんだよね。
私が偉そうに言えることじゃないけど。
みゆちゃん可哀想だなぁ。
小さくて、可愛い子なのに……。