晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
早く大人になって、こんな狭く、息苦しいところから抜け出したい。
大人になれば、なにかわかるかもしれないから。
なにが本当の自分で、
どうしたら迷わずにいられるのか。
私は、知りたい。
・
*
「聞いて、七美ちゃん」
「んー?」
いつもの帰り道。
部活が終わって、暗くなった通学路を七美ちゃんと並んで歩いていた。
「私、最近なっちゃんが苦手なんだ」
最近ていうか、風華ちゃんと七美ちゃんの悪口を聞いた瞬間から、私はなっちゃんを信用できなくなった。
クラスも同じで部活も同じで、親友のように風華ちゃんと仲良しなくせに、あんな風に簡単に陰口言っちゃうし。
かと思ったら次は七美ちゃんだし。
私の本音を七美ちゃんには聞いておいてほしい。
「今日も山田くんからカイロもらったーって私が好きなの知ってるのに自慢して来たし」
「それは、ヒドイね……」
「悪口ばっかだし、正直合わせるのがしんどい」