晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜


早く大人になって、こんな狭く、息苦しいところから抜け出したい。


大人になれば、なにかわかるかもしれないから。


なにが本当の自分で、

どうしたら迷わずにいられるのか。


私は、知りたい。








「聞いて、七美ちゃん」


「んー?」



いつもの帰り道。


部活が終わって、暗くなった通学路を七美ちゃんと並んで歩いていた。



「私、最近なっちゃんが苦手なんだ」



最近ていうか、風華ちゃんと七美ちゃんの悪口を聞いた瞬間から、私はなっちゃんを信用できなくなった。


クラスも同じで部活も同じで、親友のように風華ちゃんと仲良しなくせに、あんな風に簡単に陰口言っちゃうし。


かと思ったら次は七美ちゃんだし。


私の本音を七美ちゃんには聞いておいてほしい。



「今日も山田くんからカイロもらったーって私が好きなの知ってるのに自慢して来たし」


「それは、ヒドイね……」


「悪口ばっかだし、正直合わせるのがしんどい」


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