晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜


……言えないよね、きっと。


私は胸を張ってなっちゃんと風華ちゃんを好きだとは、言えない。


見せかけだったと、思う。








次の日。



「あっ、しほりちゃん!はなちゃん!」



帰りのホームルームが終わって音楽室に向かうと私の目の前をしほりちゃんとはなちゃんが歩いていた。


声をかけて駆け寄ると、気づいた二人が顔を見合わせてササッと音楽室の中に入ってしまった。


二人に向けていた笑顔が固まる。


……え?


今、もしかして避けられた……?



「しほりちゃ……」


「昨日送ったの見てくれたー?」


「見たよ。マジ最悪。神経疑うのはこっちだっつーの!友達の悪口ブログに書いといてねー!?」



二人を追いかけるように入った音楽室の中で話していたのは七美ちゃんとなっちゃん、風華ちゃん、それからしほりちゃんとはなちゃんだった。


身に覚えのある話の内容に、身体が固まる。


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