晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
白々しい七美ちゃんの態度と言葉に、だんだん腹が立って来る。
私が書いてないんだから、書けるのは七美ちゃん以外には、いないのに。
「咲ちゃんには悪いなって思ってますけど、なっちゃん達が私が咲ちゃんと仲良くするの、良い気がしてないらしくて、それで……」
……あぁ、もう、いい。
聞きたくない、そんな言い訳。
もう信じられないから。
私、辛くて、リストカットまでしたのに。
だれも信じられなくて、学校にも行きたくなくて。
なのに。
ーー『咲ちゃんには悪いなって思ってますけど』
なにそれ。冗談じゃない。
「わかりました。今から夏菜さんと風華さん呼んで来るけど、いい?」
「はい、どうぞ」
答えたのは、また七美ちゃん。
……もう、どうでもいい。
どうやっても私をハメた犯人は明らかにならないんだから。
犯人はもうすでに記事を消して、証拠を消して、なんでもないような顔で私の前で座ってる。