晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
あの時、七美ちゃんに電話しなければ良かった。
迷わずお母さんに相談してれば良かった。
そしたら記事は消えることがなくて、誰が書いたか、わかったはずなのに。
私は……最初から最後まで、七美ちゃんに負けたんだ。
私じゃないって証拠もなければ、
七美ちゃんが書いた証拠も、
もう、ないんだから。
「だって咲ちゃんのブログで更新されてたから咲ちゃんが書いたって思うじゃないですか」
なっちゃんと風華ちゃんの意見はごもっともだった。
私は終始黙ったまま、みんなの話を聞いていた。
「松中さんも書いてない、七美さんも書いてない。でもこれじゃラチがあかないのがわかりますね?」
上野先生の言葉に、私以外の三人がうなずいた。
「だからみなさんここで大人になりなさい。ブログの件はキレイさっぱり、なかったことにして、仲直りしなさい。そうしないと、部活の雰囲気も、なにも、良くなりませんよ」