晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜








今日も憂鬱な部活が無事に終わった。


同じパートの風華ちゃんとは話すけど、前ほどは仲良くはしていない。


風華ちゃんから好きな人についての相談という名の近況報告を受けるぐらい。



「ねぇ、咲ちゃん聞いて!金田と今日掃除中にね……!」


「うん」



どうしてそんなにケロッとできるんだろうか。


私には理解できなかったけど、悪い気はしなかった。


と、いうかめんどくさくなければ私はどうでも良かった。


風華ちゃんとは同じ楽器で、部活では常に一緒にいるし、険悪なムードで部活を過ごすよりかは幾分かマシでしょ。


でも友だちに戻ることは、ない。


絶対に。


ただ近くにいるから、話す。


お互いにそれだけ。


一線を引いた、一定のキョリを保った関係。



「はぁ……」



部活が終わってため息を吐く。


……もう辞めたい。



「咲ちゃん!」


「……!?」



後ろから走って来たみゆちゃんがいきなり私の横から顔を出して来て驚いた。


み、みゆちゃん……!?


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