晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜

理解できない




いつからだったか、朝を迎えることが憂鬱になった。


夜に寝て、一瞬で朝になる睡眠が、イヤでイヤで仕方なかったんだ。


そう思ったらだんだん寝る時間が遅くなって、


朝早くに目覚められなくなった。


夜から朝になる瞬間を、私はカーテン越しにいつも感じてた。


世界が目を覚ましても、私はいつまでも眠ったまま。


ただ、息をしている、人形みたいだった。



「あんた、なに考えてんの!学校に行きなさいって!!」


「うるっさいなぁ!ほっといてって言ってるでしょ!!」


「ほっとけるわけないでしょ!?一生を棒に振る気!?」



あぁ、もうっ、ほんとにうるさい。


お母さんが私を責め立てる。


耳をつんざくような、お母さんのヒステリックな声。


なんでお母さんはそんなに学校に行けだなんて言うんだろう。


私の気持ちを無視して。


学校がすべてなの?


学校に行かなくても生きていけるでしょ?


私が欲しいものは、学校にはない。


欲しいものがなんなのか、わかってすらないのだけれど……。


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