晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
「ぶちゃいく」
「うるさいぞ、野球バカ」
「ふんっ」
「ふんっ」
ーーガラガラッ。
先生が入ってきて朝のホームルームがはじまって、山田くんとの会話は終了。
二学期がはじまって一ヶ月。
定期考査も終わってひと段落がついていた。
そういえば先輩たち明後日から修学旅行だなぁ。
「咲ちゃん!次技術だよ。技術室行こー!」
「あっ、うん……!」
いつの間にホームルーム終わってたんだ……!
迎えに来てくれたなっちゃんと風華ちゃんに慌てて立ち上がると、後ろからクラスメイトが来ていたことに気づかずにぶつかってしまう。
「……!?」
「ご、ごめんなさい……っ」
ぶつかった彼女のおびえたような表情。
周りを見てなかった私が悪いし「ごめんね」と言って教室を出た。
「さっきの子、キモいよね」
「なんかオタクって感じ。咲ちゃん汚いのついてない?大丈夫?」
「んー、大丈夫よー」
ぶつかった肩あたりをはらう仕草をするとなっちゃんと風華ちゃんが笑う。
……私は知ってる。
この二人がどうしたら喜ぶのか。