晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜


ねぇ、お母さん。


私ってなんで生まれて来たの?


優等生じゃなかったら、

学校に行かなかったら、


私はもう、大切にしてもらえないの?



「はははっ……おっかしぃ……」



生きてる価値ないよね。


こんなに虚しいだけなら生きていたくない。


涙すら、出なかった。








「咲って突然音信不通になるよね」



リクがそう言うとみゆが頷いた。


授業と授業の間の10分休み。二人が私の席にやって来て話をしていた。


昼休みもなんだかんだ一緒にいることの方が多い。最近はほぼ毎日だ。


みゆとは部活が終わったあと、一緒に帰るようにもなったし……。


どんどん近づくキョリに、怖くなる。



「え、そうかなぁ……?」



……わざとです、なんて言えない。


これ以上あなた達と仲良くなりたくないからです、なんてもっと言えない。



「学校にも来ねぇーし、メール返さねぇーからさぁ……」


「心配だよね」



二人の目線に、苦笑い。


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