晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
ねぇ、お母さん。
私ってなんで生まれて来たの?
優等生じゃなかったら、
学校に行かなかったら、
私はもう、大切にしてもらえないの?
「はははっ……おっかしぃ……」
生きてる価値ないよね。
こんなに虚しいだけなら生きていたくない。
涙すら、出なかった。
・
*
「咲って突然音信不通になるよね」
リクがそう言うとみゆが頷いた。
授業と授業の間の10分休み。二人が私の席にやって来て話をしていた。
昼休みもなんだかんだ一緒にいることの方が多い。最近はほぼ毎日だ。
みゆとは部活が終わったあと、一緒に帰るようにもなったし……。
どんどん近づくキョリに、怖くなる。
「え、そうかなぁ……?」
……わざとです、なんて言えない。
これ以上あなた達と仲良くなりたくないからです、なんてもっと言えない。
「学校にも来ねぇーし、メール返さねぇーからさぁ……」
「心配だよね」
二人の目線に、苦笑い。