晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
私はわざと遅れて行こうって思ったのに、来てみたら誰もいなくてめっちゃビックリしたんだから。
置いて行かれた?
なんて、思ったし。
「ははっ!笑った」
「あーお腹痛い。笑い過ぎて涙出て来た」
確かに。すごい笑った。
こんなに笑ったのは、いつ以来だっけ。
……久しぶりに笑ったから、頬が痛い。
見上げた空は、青くてさらにビックリした。
心まで、この空のように晴れていくみたい。
……なんだろう、これ。
胸が、ポカポカあったかい。
「みゆの家に行こーっ!」
「お腹減ったぁー!」
……なんでいちいち叫ぶの。
でも二人の真っ直ぐな明るさに、だんだん惹かれていくのがわかる。
今日だって、本当に来たくなかったら体調不良だって言って断ることだってできた。
なのに私はそれをしなかった。