晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜


こんなの、おかしい。


フツー、友だちのぬいぐるみをキモいなんて言えないし、


キモいなんて言われたらこんな風に笑って話せない。


言われたのがなっちゃんだったら、きっとキレてる。


そして私だったら、そんな危険ワードは絶対言わない。


価値観が、違う。


こんな価値観があるなんて、知らなかった。


ーーでも。


フツーってなに、普通って。


私の普通は、みんなの普通なの?


ただ単に、私が嫌われることに臆病になっていただけじゃないの?



「…………」



二人を見てたらなんていうか、不思議。


そう。


なんか、新鮮、なの。


知らなかったことが多過ぎて、


知らない世界が広がっていくみたいで、


戸惑うし、理解しがたいけど。


……受け入れたい気持ちが強い。



「あ、水風船あるじゃん」



みゆの部屋でリクが見つけた水風船。


それを見たみゆがニヤッとしたのがわかった。


……え、なに。



「これで遊ぼう」


「うわ、やろ。やるしかないでしょ」



水風船で遊ぶって。


どうやって……?


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