晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



二人といると、優越感が私の心を満たしてくれる。



「咲ちゃんウケるー!」


「汚いの飛ばさないでよ〜っ」


「今日帰ったら洗濯しなくちゃなぁ」



私がそう言ったら二人はなにがそんなに面白かったのか、爆笑。


……悪口を言えば私は強くなれている気がしていた。


みんな喜ぶし、私の周りにみんな集まって来る。


居場所をつくるためには必要なことなんだって、私は知っていた。


だから、別にひとつひとつの悪口や行動に罪悪感があったわけじゃない。


そんな良い子だなんて思わない。


むしろこの居心地のいい場所に居られるなら、私はなんだって良かった。


ヒエラルキーのピラミッド。


クラスや学年の中のチカラの差は、入学して半年以上が経った今、誰が見てもわかるぐらいハッキリしている。


私たちは頂点に近い場所にいる。


これは、まず間違いなかった。


なにがなんでもその場所から下がるわけにはいかない。


ピラミッドの頂点から見る景色は、とても見晴らしが良かったから。


私はここにいたい。って、願う。


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