晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜



「はぁー、楽しいねぇ!」



みゆの言葉にリクと私がうなずいて笑った。


二人は、楽しいことを見つける天才だと思うんだ。


なんでも楽しいことに変えちゃうよね。


私はそんな価値観持ってなかったから…すごく驚いた。


でも、二人に教えてもらったんだよ。


見方を変えれば、なんでも楽しくできること。


私は話す時に「こう言わなくちゃいけない」とか「なんて言えば空気を壊さないで済むかな」ってずっと考えてた。


だけど二人と話してると、そんな自分がバカバカしく感じたの。


もっとシンプルでよかったんだ。


色んな難しいことは考えずに、思ったことを思い通りにちゃんと言葉にすればよかったんだ。


言いたくないことは、言いたくないって。


だって自分にウソをついてたら、笑えないでしょう?


ウソで築いた関係なんて、ウソでしかない。


だから壊れたんだ。


七美ちゃんたちとの絆は、あって、なかったモノ。


私はなっちゃん達にウソをついて、

七美ちゃんは私にウソをついてた。


だから、遅かれ早かれ、こうなってたんだと思う。


……それに、気づいたことがあるんだ。


あんなに毎日聞いていた悪口を、私は二人から聞いたことがない。


なっちゃん達と仲良くしていた半年前までは、ずっと、うんざりするほど聞いていたのに。


二人はあんまりそんなこと話さないよね。


いつもくだらないことで笑って、はしゃいで、いつの間にか時間が経ってる。


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