晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
第3章
願いと想いと伝言を
中学生になって二度目の夏休みが終わって、二学期が始まった。
部活も夏の大会が終わって三年生が引退して、二年生の私たちがトップになった。
「新しく部長として、吹奏楽部を引っ張って行くことになったアヤちゃんです!」
三年生最後の部活。
部長として二年生のみんなから選ばれたのは、前に部長と副部長代理を選ぶ時に副部長に選ばれていた子だった。
「慣れないことも多いかと思いますが、頑張って部長やって行こうと思います。よろしくお願いします!」
音楽室の教壇で、挨拶をする新部長。
……もしかしたら、あそこに立っていたのは私だったのかもしれない。
みんなと同じように拍手をしながらふとそんな事を思ったら、ちょっぴり胸が切なくなった。
だけどやっぱり、いくら考えてもそんな肩書きは欲しいと思わない……。
あの頃は、選ばれたことが嬉しくて嬉しくて仕方なかったけど、
今は人の上に立つとか、そういったことは考えられない。