晴れ渡る空に虹〜キセキの途中〜
11月。夏服から冬服に変わって、だんだんと日が短くなって来た。
「セーラー服より学ランのほうがよくね?スカート寒くてやだ」
リクがそんなことを言いながら、口を尖らせていた。
……確かにスカートは寒いけどぉ。
「セーラー服の方が女の子っぽくて可愛いじゃん」
「それ。女の子は足出してなんぼ!」
ドン!とみゆが足を突き出して、リクと二人で笑った。
「ちょっとだけよ〜」
「うへー。みゆにセクシーさは求めてないからやめて!」
私の言葉にリクが「その通り」とうなずいた。
みゆはおどけたように「ひどい〜」なんて笑ってる。
……もう、こう言わなくちゃいけないとか、ごちゃごちゃ考えなくても良いってわかったから。
素直に心から笑える。
本当の居場所を、見つけたから。
安心して本音をぶつけられる。