人狼~狼達のゲーム~


―授業後大学正門にて―

おかしい…。


私は馬車なんか見てないわ。そう、私は冷静よ柚乃。


そう、私は何も…



「柚乃、馬車がある…。」

「あぁー!もう!そんな事言わないでよ!」

「え? あぁ現実逃避してたのか」

「もぉー!」

「ごめんってば」



まぁ もちろん馬車の周りには学生が居るわけで。


「まさか、あれがお迎えとか…ないよね…?」

「わからない、けどその可能性もある。」



すると学生をかきわけて、タキシードの男の人がこっちに向かって歩いてくる。


うわぁお。 凄いイヤな予感。


咄嗟に翔のコートの裾を引っ張った。


すると、翔は小声で

「柚乃、大丈夫」

と 言ってくれた。



どんどんタキシードの人は近づいてくる。

そして……



「木野様でいらっしゃいますか?」

「あ、はい…。」

「こんにちは。私、館の者でございます。気軽に滝野とお呼びください。」

「はい…。」

「それでは、こちらに「あの…。」

「俺も館に行きたいんですけど、良いですか?」

「えぇ、構いませんけど。」

「じゃあ俺も」

「では、あちらの馬車にお乗り下さい。長旅になるので寝てても構いませんよ。」

「はい。」


とりあえず翔も来てくれることになったけど…。


どうなるんだろ…。



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