キスの意味
そんな私に、心配そうに声をかけてくれる塚本さん。

「べっ、別に、体調も悪くないし、機嫌も悪くないし・・・」

「口、尖ってる」

塚本さんに、口元を指されながら言われる。

「っ!」

慌てて、右手で口を押さえる。

「水野君ってさ、難しい事を考えてる時とか、不機嫌な時、よく口が尖ってる」

「フッ」と薄く笑いながら、塚本さんは続ける。

「その事に自分で気付いたら、そうやって、口を隠すんだ。で、しばらくすると眉間に皺が寄る」

自分の眉間を「トントン」と人差し指で叩きながら、塚本さんが言う。

みっ、見破られている~~!!

私は、顔が熱くなるのを感じながら俯く。

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