キスの意味
会社の裏手にある駐車場に向かっていると、外回りから帰ってきた塚本さんに会う。

「お疲れ様です。お先に失礼します!」

足を止めて、頭を下げる。

「お疲れ!気を付けて帰れよ」

「はい!」

塚本さんの穏やかな笑みに、私もニッコリ笑う。

塚本さんに背を向けて、少し歩いたところで、声をかけられる。

「水野君!」

振り向くと、30m位先に塚本さんがこちらを向いて立っている。

街灯の明るさだけでは、はつきりとした塚本さんの表情まではわからない。

近付いた方がいいのかな?なんて考えていたら、塚本さんが話し始めた。

「あれは、水野君の本心?」

『叫ぶ』とまではいかないけれど、いつもよりも、張った声で話す塚本さん。

「?」

塚本さんが何の事を言っているのかわからず、首を傾げる。

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