キスの意味
見たり、触ったりできるはずのない『声』に、どうしてそんな事を感じてしまうのか・・・
最後に私の耳元に、フッ!と小さく息を吹きかけて、塚本さんの気配が離れる。
ゾワッゾワッと、悪寒とは違う何かが、私の背中を這い上がった。
塚本さんが私の手から、何冊かファイルを取り上げる。
身体に乗っていた重しが外されたように、固まっていた身体の緊張が解れる。
パッと目を開き、回れ右をする。
塚本さんはすでに、2階に上がる階段の途中の踊り場に立って、私を見下ろしている。
今の自分が、どんな顔をしているのかわからないが・・・というより、想像したくない。
でも、確実に真っ赤になっている顔で、塚本さんを見上げる。
ここで目を逸らしたら、なんか塚本さんに負けたような気がするから。
睨みつける勢いで、塚本さんを見上げていると、バチッと目が合う。
すると、やっぱり・・・と言うか、チクショ~!と言うか・・・
「ニヤッ」と、唇の片端を上げて笑い
「行くぞ!」
と塚本さんにしては、ぞんざいな口調で言って、階段を上がり始めた。
最後に私の耳元に、フッ!と小さく息を吹きかけて、塚本さんの気配が離れる。
ゾワッゾワッと、悪寒とは違う何かが、私の背中を這い上がった。
塚本さんが私の手から、何冊かファイルを取り上げる。
身体に乗っていた重しが外されたように、固まっていた身体の緊張が解れる。
パッと目を開き、回れ右をする。
塚本さんはすでに、2階に上がる階段の途中の踊り場に立って、私を見下ろしている。
今の自分が、どんな顔をしているのかわからないが・・・というより、想像したくない。
でも、確実に真っ赤になっている顔で、塚本さんを見上げる。
ここで目を逸らしたら、なんか塚本さんに負けたような気がするから。
睨みつける勢いで、塚本さんを見上げていると、バチッと目が合う。
すると、やっぱり・・・と言うか、チクショ~!と言うか・・・
「ニヤッ」と、唇の片端を上げて笑い
「行くぞ!」
と塚本さんにしては、ぞんざいな口調で言って、階段を上がり始めた。