キスの意味
あれっ!?結構ゴロゴロいるかも・・・

なんとなく暗くなりながら、残りの仕事を片付けた。

みんなに挨拶をして、事務所を出る。

社内の廊下で、外回りから帰ってきた塚本さんに会う。

「お疲れ様です!」

「お疲れ。帰り?」

すれ違う所で、立ち止まる。

「はい!高野主任に追い返されました」

肩を竦めながら言う。

「明日、早いもんな。球場の場所は・・・」

「大丈夫です!昨日も、散々教えてもらったじゃないですか!」

木曜日の練習の後、大会の会場となる球場を知っているかと、塚本さんに訊かれた。

その球場は、ここから車で1時間近くかかる。

私の好きな本屋さんに行く途中の町にある。

いつも通る国道から、少しだけ入った所だ。

行った事はないが、国道からいつも見えているので、大丈夫だと思った。

ただ、私は方向音痴なので「知ってるか?」と念押しされると、自信を持って返事ができない。

「わかります!たぶん・・・」

曖昧に答えた私に、『球場への行き方』を細かく説明された。

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