キスの意味
「っ!従えてませ~ん!」

慌て言ったが、笑いながら聞き流され「藤田、お疲れ!」なんて行ってしまった。

むぅ・・・私はいったい、どう周りから見えているんだっ!?

私がいかに、塚本さんと藤田さんに苛められていたかと話しても、やっぱり尚子さんは、笑っているだけで。

すると、“ 野球中年 ” 達に挨拶をした藤田さんが、私達の所にやって来た。

「尚!」

「藤田さん、お疲れです!」

藤田さんの呼びかけに、尚子さんも満面の笑みで答える。

おや、おやおやおや・・・

尚子さんが、“ 乙女 ” に見えますよ♪

「今日も、頼むぞ!」

「藤田さん、いい加減 “ 本物 ” をつくってくださいよ~」

「今は仕事が忙しくって、そんな暇ないな。尚がいればいい」

「また、そんな事言って・・・」

尚子さんが、少し顔を赤らめて俯く。

なっ、何だろう・・・?
会話の意味は、イマイチわからないのに、2人の間に漂う妙に甘い空気・・・

私が2人の顔を交互に見ながら、会話を見守っていると、「今、気付いた」という顔をして、藤田さんが私を見下ろした。
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