キスの意味
「久美ちゃんも、一緒にお弁当食べよう」

高野主任が声をかける。

「はい!そのつもりで来ました」

ニッコリ微笑んで答える相田さん。

周囲にいた野球中年達は、「やった!」なんて言って喜んでいる。

全く・・・中学生かっ!?

野球中年達がお弁当をもらい終わったようなので、私と尚子さんもお弁当を受け取りに行く。

「ありがとうございます」

お弁当とお茶を受け取って、白石さん達に背を向けた時、白石さん達が小声で話しているのが耳に入る。

「雪乃、私達の分のお弁当も持って来たよね?」

「うん。あれ、足りない!?」

「一つ足りないみたいなんだけど・・・」

その時唐突に、朝、高野主任と尚子さんとの会話が蘇る。

!!!・・・

振り向いて、バッと白石さんに近付く。

「ごめんなさいっ!お弁当、足りないんですよね!?」

私の突然の慌てた様子に、目を丸くする白石さん達。

「朝、お弁当の追加をお願いするの、忘れていました。お弁当の数、足りないんですよね?」

私は唇をキュッと結んで、白石さんを見る。
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