キスの意味
私の勢いに、周りの野球中年達も何事かと、私達の様子を見ている。

「大丈夫です！本部の方に余分がないか、聞いてみますから」

白石さんは、やっぱりきれいな笑顔を向けてくれた。

「雪乃、余分はもう・・・」

相田さんが、白石さんの袖を引っ張って囁く。

白石さんは相田さんを見て、微かに首を横に振る。

私は、スッと軽く息を吸い込む。軽く一歩踏み出すと、大げさに声を張る。

「そうだっ！お昼、コンビニに行こうと思ってたんだ！」

白石さんに向かって、ニコッと微笑む。

「買いたい物があったので、コンビニに行こうと思ってたんです！だから、ついでにお昼も、食べてきちゃいますね！」

白石さんは困ったように眉尻を下げて、私を見つめる。

「白石さん、わざわざ確認してくれたのに、お弁当の追加をお願いするの忘れていました。すみません」

白石さんに頭を下げると「いえっ、そんな・・・」と、益々困った顔をする白石さん。

困った顔も、可愛いな・・・そんな事を思いながら、まだお弁当を持って立ったまま、私達の様子を見ていた塚本さんに近付く。

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