キスの意味
見たところ2人とも、私が苦手とする『若年層男子』・・・

急いでもいる私は、小さく頭を下げて行こうとした。

「休みの日に早起きしたのに、1試合目で負けちゃって、あっと言う間に終わっちゃったよ!」

私に言われても・・・と思いながらも、愛想笑いを浮かべながら「お疲れ様でした」と言ってみた。

一応、会社の一員として来ている訳だから、あまり素っ気なくもできない気がした。

愛想笑いを張り付けたまま、何が言いたいのだろうと考えていた。

「これから帰って、真っ昼間から反省会だし!」

と声をかけてきた人が、大げさに肩を竦めた。

さっきから、この人しかしゃべってない。無表情で話を聞いているだけのもう1人の人が、話を止めてくれる事を祈っていた。

「だから、さえちゃんも一緒に反省会に行こう!」

「・・・はい?」

何を言っているのかわからなくて、ちょっと固まってしまった。

「おまえ、エラーしたもんな。絶対、反省会で責められるな」

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