キスの意味
それまで無表情だったくせに、もう1人の人も、急にニヤニヤしながら話し始めた。

・・・止めろよっ!
心の中で突っ込みながら、聞かなかった事にして、立ち去ろうとした。

「さえちゃんとこのお世話係、『白雪姫』だったね」

そのワードに、思わず動きを止めてしまう。

「うちのお世話係も可愛かったけど、白雪姫は別格だな。なんか、オーラ?が違うっていうか・・・」

2人で顔を見合わせて、頷きながら話す。

白石さんは、本当にきれいで、可愛くて・・・性格もいいと思う。

よくわかっている事を、また、こんな所で確認させられる。

「さえちゃんのチームは、白雪姫がいればいいんじゃない?」

「っ!」

何を言いだしたのかと思って、思わず、相手の顔を見つめてしまう。

「だから、さえちゃんは、俺達と反省会に行こう!」

私が見つめてしまった事に、何か勘違いしたのか、ニッコリ笑って、そんな事を言ってくる。

さっきから『だから』の使い方、間違ってるし・・・!

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