キスの意味
思わず、フフッと笑ってしまう。塚本さんが不思議そうな顔をして、私を見た。

「わかりました。白石さんの元カレと、会ったんですか？」

「ああ・・・翌週の土曜日に会って、話をして、大丈夫かなあって思った。それで、俺の役目はおしまい！」

塚本さんが苦笑しながら私を見た。そうか、それで・・・

「塚本さんの個人ケータイに、白石さんから連絡が入ったのは、その為だったんですね」

「えっ⁉」塚本さんが小さく声を上げた。

「水野君、それも知ってた？」

「すみません。休憩室で、塚本さんがトイレに行っている間に、ケータイが鳴って。見る気はなかったんですけど・・・」

少し、小さくなって謝った。

「やっぱり見られてたか～」塚本さんが眉尻を下げて笑う。

「ごめんなさい」私は、さらに小さくなって謝った。

「水野君が悪い訳じゃない。なんで一番知られたくない人に、知られちゃうのかなあって」

・・・『一番知られたくない人』て？それって・・・

でも、私にはまだ気になる事があって・・・

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