キスの意味
正直に言うと、物足りなさは感じている。こんな風に思ってるのは、私だけ?
……うん、あまり深く考えないようにしよう。また、ネガティブな方にいってしまうから。
そんな小さな不安を抱えつつ、日々は過ぎていき……
結局、四月になった今でも、私と塚本さんはキスまでしかしていないのだ。
「やっぱり私に、女としての魅力を感じないのかな……」
『そうかもね』
スマホを握りしめながら不安を口にすれば、千晶にあっさりと肯定される。
千晶のいつもの軽口とわかっていても、その言葉が胸に刺さり、思わず無言になってしまった。
『焦る事、ないんじゃない?付き合って、まだ四ヶ月でしょ?』
千晶のそんな言葉にも、気持ちは沈んだままだ。
いいわよね~、千晶は!吉野さんとラブラブだもん!
千晶は吉野さんと、私は塚本さんと付き合い始め、以前程会わなくなった。それでも、真尋も含めたメッセージのやり取りは頻繁にしているし、たまにこうしてスマホで話をする。
「でも!……キスしたくせに。酔っ払っている私には、結構エロめなキスしたくせに!」
私の千晶への八つ当たりはおさまらず、自棄気味にそんな言葉を言ってしまった。