出会いは、立ち入り禁止の屋上で。-先輩、可愛いですね。-

「本当だ……。可愛い。」

あまりの可愛らしさに、頬が緩みクスッと笑ってしまった私。

すると、勇坂くんはムッとした。

「このぬいぐるみより僕の方が可愛いですよ!で、僕より先輩の方が可愛いです!」

何それ…………。

てっ!

「自分の可愛さ知ってたの!?」

「んー。まぁ……。結構告白されてチヤホヤされてたら嫌でも解りますよぉ。」

「た、確かに……」

と、納得する私。

「解らない人は、極度の鈍感ですね。」

そう言われて、頭の中に浮かんだのが由乃だった。

あの子は、ヤバイと思う。

「そうだね。」

「あ、先輩!これ、可愛いから先輩にプレゼントしますね!」

と、財布から1000円札を出し両替機へ。

「え!?良いよっ!悪いし!」

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